猫の恋やむとき閨の朧月

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『桜のような僕の恋人』を読みました。

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『桜のような僕の恋人』/宇山佳佑

 

感想

僕はあなたに相応しい男になってみせます!
カメラマンの夢を諦め、フリーターとして日々を過ごす晴人のセリフが今の自分と重なってしまい一気に読了してしまいました。

美容師の美咲と出会い、相応しい男になるためにカメラマンとしての夢を再度追い始めることになった彼の成長、それを知り心動かされた美咲の儚くも短い恋の話。

 

美咲のお客さんとして美容室に通っていた晴人の耳たぶを切り落とすという

割と訳のわからないエピソードから始まるのですが

美容室に通い始めていた時から美咲に片思いしていた晴人はこれを機にデートに誘うことになりました。

 

耳たぶ切り落とし事故がきっかけで仲を深め、晴れて付き合うことになった2人ですが

2人が付き合い始めて3ヶ月が過ぎた夏の頃

美咲に「ファーストフォワード症候群」という人よりも早く老化が進む難病が発病してしまいます。それを晴人に知られたくなくて、老いゆく姿を見られたくなくて、美咲は彼に一方的に別れを突きつけます。

 

そうとは知らずに失恋に苦悩する晴人、過ぎ行く季節、老いゆく彼女・・・

冬になり、美咲の病気と先が長くないことを知った晴人は「自分にできることはないか?」と考え、先輩の写真展に自分の写真を展示してもらうことに。

その展示会の最中、2人は再会することになるのですが・・・

 

久しぶりに本を読んで泣きました。
好きな人が元気で幸せに生きてるというそれだけで自分は恵まれているのではないだろうか?と感涙でした。
例え振り向いてもらえなくても、隣にいるのが自分じゃなくても、会えなくても、連絡できなくても・・・生きてるじゃん。それだけで十分なんだなって思いました。

難病との闘いの末に彼女を喪い、それでも再び前を向いて生き始める晴人の姿はとても凛々しくて
本を閉じ、改めて「尊敬してもらえる男になろう」と覚悟が決めたあの日に立ち帰れる。そんな1冊でした。

ジャケ買いした本でしたが素敵な小説でした。

 

 

桜のような僕の恋人 (集英社文庫)

桜のような僕の恋人 (集英社文庫)