猫の恋やむとき閨の朧月

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『何者』を読みました。

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『何者』朝井リョウ(2012年11月)

 

感想

自分自身がHR領域の会社で働き始めたのもありまして。

就活を題材にした本を読みたいと思い真っ先に浮かんだのが『何者

映画化もしている朝井リョウさんの代表作です。

 

現在の就職活動とは少し違った点もありましたが

私が就活をしていた時はまさに本作と同じ時代の就活だったため「わかる!」と感じることも多くてだいぶ懐かしかったです。実際に作者の朝井さんも自分が就活をしながら書いた作品だと今日職場の人に教えてもらい。本当に同世代の作家さんなんだなと実感しました。

 

主人公の拓人、シェアハウスをしているバンドマンの光太郎

そして光太郎の彼女で就活のために留学先から帰国した瑞月、瑞月の友達で拓人・光太郎と同じアパートに住む理香、理香と同棲する隆良。

”就活”という波に揉まれながら彼らの関係自体も変化していく、訝しげ合ったり、違う自分を演出しようとしたり・・・就活を通して「何者」になろうとしているんだろうか?みたいな内容です。(ざっくり)

 

①SNSの在り方

まだまだTwitterが全盛期に入ったばかりだった当時、誰もがこぞってTwitterに登録し友達同士でフォローし合っていました。mixiを経由してのTwitterだったためみんな友達間でフォローしていたような記憶があります。

結果的に”Twitter=好きなことがつぶやけない空間”へと変化し、裏垢を作ったり、”リア充アピール”が流行って非リア・リア充の二極化が顕著になりました。SNSで人と出会うことの善悪が問われたり・・・懐かしいですね。

 

あれから約5年の月日が流れてTwitterのそういう性格が今ではブランディングツールとして再認識されたように思います。違う自分になることができる=なりたい自分を演出できる。裏垢も趣味ごとに分けることでリアルの友達関係だけじゃない趣味で繋がる関係を作るのも割と当たり前になってますね。(私たち3人も正にそれですが。笑)

 

時代の変化の速さを痛感しました。

結局のところTwitterもFacebookもリアルのコミュニティで固まろうとした人たちが淘汰されて今はSNSを前向きに使う人たちが残る純化が進んでるのかな?なんて所感ではあります。

 

②就職活動の変化

5年でこんなにも就活って変わるんだなと思いました。

12月解禁が3月解禁へ統一され、就活のスピード感が当時と比較してもかなり早くなったように思います。

加えて、働き方改革や売り手市場へと社会も変わっています。

インターンの在り方も就活手段の選択肢も、転職への抵抗感も、5年前と全然違います。

今の就活生も「何者」に出てくる大学生たちみたいに深刻にやってるんでしょうか?

 

私が大学3年生の時はリクナビ・マイナビの2択しかなくて(ほんとはもっとあったのかもしれないけど情報が入ってこなかった)、インターン基本無給でそこまで積極的に取り組む風潮ではなかったです(私のいた集団がそうだっただけかも)、就活ガチ勢が「意識高い系」と冷たい目で見られて・・・

”周りの目”みたいなのにとても過剰反応してましたね。これはきっと私だけじゃないはず。

 

最近の就活生を見ていると、探せば膨大な情報があって使うツールの選択肢も比べ物にならないくらいたくさんありますし、楽しもうと思えばいくらでも楽しめる気がします。

 

まとめ

『何者』を読んで一番感じたのは何と言っても「時代変化のスピード」

これに尽きます。

話の内容も去ること乍ら、SNSと就活への温度感もすでに今とはだいぶ違います。

まだ刊行から5年半、文庫化してから約3年ですけど「社会はこんなにも変わるんだな」と常に感じながら読み進めました。

 

それでも、”就活”自体は基本的に変わっていません。これから就活・転職を控える方が読んでもESの書き方やらWebテスト対策だったり自己分析・面接などなど共感できておもしろいと思います。

 

そんな人たちには、ぜひ一読をオススメしたい1冊です

 

 

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)