猫の恋やむとき閨の朧月

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映画『累ーかさねー』を一足先に観てきました

 

ねこなべです。

 

先日、映画『累ーかさねー』を一足先に観てきました。

今回はこちらの感想を書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

※ネタバレを含む部分があります

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「わたしはあなたになりたい。あなたはわたしになりたい。」衝撃の問題作が堂々完成

伝説の女優・淵透世/ふちすけよ(演:檀れい)を母に持つ、淵累/ふちかさね(演:芳根京子)は母親譲りの演技力を持ちながらも、醜い容姿にとても強い劣等感を感じており、その容姿故に周囲から孤立し気持ち悪がられ、小学生の頃からいじめに遭っていた。

そんな中、母が亡くなり親戚の家に引き取られる累であったが、醜い容姿が災いし気味悪がられて生活する毎日だった。だが、累は母が亡くなる前に一本の「口紅」を受け取っていた。「どうしても困った時にだけ使いなさい」と、伝えられたその口紅は、キスをした相手の顔を奪い取ることができる力を秘めた口紅だったのだ。

 

欲望を抱えた二人の出会い

透世の十三回忌。その日、母・透世を知る男・羽生田欽互/はぶたきんご(演:浅野忠信)が累の前に現れ、彼の紹介で圧倒的な美を持つ女性・丹沢ニナ(演:土屋太凰)と出会う。ニナは舞台女優として活躍していたが演技力はイマイチ。そして彼女にも、とある秘密があった。

醜いながらも母親譲りの演技力を持つ累」と、演技力はないが圧倒的な美を持つ「ニナ」が導かれるように出会い、美貌を欲しがる累と才能を欲しがるニナがお互いの欲望を叶えるために、口紅を使い顔を入れ替えることを決意するのであった。

 

女優人生をかけたニナ

女優として崖っぷちに立たされていたニナは、とある舞台のオーデジションを受けることにした。その舞台を演出する烏合零太/うごうれいた演:横山裕)は、ニナが大学時代に出た舞台の演出を手がけた人物であり、このとき烏合からもらった一言で女優を目指すことを決意。「私のことを覚えているはず」とそんな微かな希望を持ちながら、彼女はオーディション本番までの期間、累と共同生活をしながら舞台女優としての「いろは」を叩き込んでいく。そして、ニナにとって烏合は当時から想いを寄せている人物でもあった。

オーディション当日。2人は顔を入れ替えて会場へ向かった。このオーディションは舞台のヒロインを懸けたもの。「絶対に受かりなさい!!」というニナの言葉にプレッシャーを感じながら、そして烏合の冷たい眼差しを受けながら、累は演技を行う。

 

オーディションを終えた累

帰宅した累に対し、ニナは高圧的な態度で結果を迫る「できる限りのことはしました」と怯えていると電話がかかってくる。

羽生田からの電話だろうと察した累は、恐る恐るオーディションの結果がどうだったか聞く。すると先ほどまでの怖い表情から一変し、明るく笑顔で「オーディション合格よ!」と答える。ただ安堵する累とは裏腹に、合格したことで烏合に近づくチャンスを得たことと、同時に女優としても登りつめるため今後も累を利用してやろうと野心を燃やすニナであった。

しかし、この舞台が決まったことで、欲望と嫉妬が抑えられなくなっていくことをこの時はお互いが知る由もなかった。

 

舞台稽古が始まる

舞台の稽古が始まりさらなるプレッシャーが累にかかる。ニナからの高圧的な態度、そして烏合からの厳しい演技指導と、気の抜けない日々が続く。

ある日、舞台稽古が終わり、士気を高めるために役者の面々とスタッフ、烏合を含めた飲み会が行われた。楽しく行われる飲み会だが、累はどうしても帰らなければならない理由があった。

 

なぜなら口紅の効力は12時間で、それを過ぎると顔が戻ってしまうからだ。

 

「すみません、帰ります!」店を飛び出すニナの顔をした累。店を出るとその後を追いかけてきた烏合が、ある告白をする

「君の演技には期待している。まっさらで、でも情熱的な。誰にも真似できないその演技力を」背を向けて彼の言葉を聞く累だが、時間切れで顔はもうすでにニナの顔ではない。烏合が顔を覗き込もうとするが累は逃げるようにその場から立ち去る。

男性から期待の言葉や態度などを受けたことがなかった累。何より、ニナの顔をしているのにも関わらず自分自身を見られているようで。まるで自分が褒めてくれている烏合に対し好意を抱いてしまう。

 

それからというもの、2人とも烏合のことが好きという気持ちが抑えられなってしまいます。累の演技力さえあれば烏合と幸せになれるのにと嫉妬するニナと、ニナのような美しい容姿さえあれば烏合と幸せになれるのにと嫉妬する。ここから一人の男性を奪い合うドロドロの関係が始まる・・・。

 

劣等感と嫉妬心。二人の関係が崩壊する

ニナの顔をした累は順調に舞台稽古をしていたが、あるシーンを拒んでいた。

それは男性俳優とのキスシーン。キスをしたことがない累はどうすればいいか悩んでいた。「どうしてキスができない、本番に向けてリハーサルでも形として進めていかないと困るんだ」と怒る烏合に謝ることしかできない。

 

一旦休憩を取り、稽古場を出て心落ち着かせる累。

「あんた何やってんの?」と声をする方を向くと、そこには累の顔をしたニナが立っていた。累が烏合のことを好きになっていたことを気づいていたニナが、嫉妬心を剥き出しにして稽古場へとやってきたのだ。そして無理やりキスをして、ニナ本人が稽古場へと向かうことに。

 

稽古を再開し、ニナ自身が演技をするのだが、烏合が先ほどまでの比にならない勢いで激怒する。「なんだその演技は!!全く君らしくない!まるで素人がやってるみたいだ!!」

自身の演技が上手くないことを真正面から言い切られてしまったショックから、ニナは稽古場を飛び出してしまう。

結局、羽生田の説得でもう一度ニナと累の顔を入れ替え、その日の稽古をなんとか乗りきったのであった。

 

稽古終了後、やってきた烏合に対し累はある相談をする。

「私、今まで男の人とキスをしたことがないんです」という悩みを告白。それを聞いた烏合は、何にも染まっていない純粋無垢な累の姿を魅力的に感じてしまう。

話をしているうちに、顔はニナだけど烏合さんは本当の自分のことを見てくれているという気持ちが強くなり、お互いは更に惹かれあっていく。

 

「じゃあ、演技指導だ」と、累にキスをする。ニナの顔を得られたこそのこの幸せな時間。「こんな幸せがあったなんて」と実感する累。

しかし、その瞬間を遠くから見たニナは、累に対する強い嫉妬、烏合を自分のものにするという欲望。この感情が抑えられなくなり「烏合だけは譲らない」と決意する。

 

ニナと累。2人の戦いの行き着く先とは・・・。

 

感想

まずは一言。

めちゃくちゃ面白かったです!

女同士の戦いを見せつけられたといった感じでしょうか。怖いわ〜って思いながら観てました笑 しかし、ストーリーの秀逸さ、演技力の高さに圧倒されて最後の最後まで楽しく観ることができました。

 

今回、土屋太凰さん・芳根京子さんのW主演ということで。お二人の演技力が素晴らしかったです。

まずは、土屋太凰さん。丹沢ニナという人格の演技と、の人格が入った状態での演技という二重人格を演じるという、非常に難しい役どころではないかと思いました。それを最後の最後まで演じきるのは、まさに圧巻でした。

 

丹沢ニナはの性格は、容姿から想像がつかないほどのドSキャラで、プライドも高く、執念深い人物で「土屋太凰さんはこんな演技もできるのか」と驚きました。

累と何度も嫉妬と欲望を渦巻いた熾烈な戦いが繰り広げられるのですが、こんなに感情をむき出しにして演じれることが本当にすごいと思いました。

また、累の人格が入った迫真の演技は、この作品の醍醐味と言えるでしょう。最後の大舞台での演技は、観る人を魅了するものとなっているので、ぜひお見逃しなく!

 

そして、芳根京子さん。醜い容姿のせいで人生を狂わされ、家族も友達も全てを失った累を儚くも、時に禍々しく狂気に満ちた演技でこの作品の『核』を作り上げてくれました。

累は「自分の容姿から生まれた劣等感から、執着心や自分を違うものへと変え、別人格になりたいという感情が強すぎる。ゆえに、別人になりきる演技力というものが備わった」と、羽生田が説明をしています。累が「教えてあげる。このどうしようもない劣等感ってやつを!!」と言うシーン。画力があるというか、累の心の叫びが出たこの一言にゾクッとするものを感じました。

 

個人的にですが、芳根京子さんの演技に強く惹かれるものがありました。負の状態から這い上がって生きてきた累に対し、同情してしまったといいますか。ただ、累という人物がいたことでこの嫉妬と欲望にまみれた戦いが生まれ、圧倒される物語ができた。その重要な人物を演じきったことに、僕もまた累に惹かれてしまったのかもしれません。

 

最後にこの作品で一番の狂人とも言える羽生田を演じた浅野忠信さん。

ニナを支えつつも、累を徹底的に追い込み、丹沢ニナの人生全てを奪うことを仕向けた張本人。羽生田にもまた秘密はあるのですが、、、ぜひ映画を見てください。

この作品全体を表現する重要なセリフ「観客が一番見たいものはなんだと思う?それは、偽物が本物を超えてしまった瞬間だよ」ブログ下部に予告動画のリンク先を貼っていますが、ここでもこのセリフが使われていますが、この言葉が累を狂わせた一言と言っても過言ではないと思います。

 

最後に

「美しさ」と「醜さ」の衝突が二人の人生を変え、最後は衝撃的な終わり方をします。

「この顔になって骨の髄までわかったはずよ!どうしようもない劣等感ってやつが!」と叫ぶ累。「私はあんたとは違う!中身まで醜くない!!」と叫ぶニナ。

本当の美しさと、本当の醜さを告白したこのシーンは、圧巻でした。

また、この映画の主題歌「black bird」を『aimer』という女性が歌っております。この映画に合った歌詞と、力強い歌声もぜひともお聴き逃しなく!

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全国公開は9月7日(金)からです!

ぜひ劇場へ足を運んでいただき、この戦いの結末をご自身の目で確かめてほしいです。

kasane-movie.jp

 

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ではでは、ねこでした。

 

 

文責  ねこなべ